合同会社Gencone

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Whatever:果てのない自由を放つ、永遠を纏いし名曲

whatever

日本でも何度かCMソングに使用されたことがあるから、知らなくても聴いたことある!ってな人もいるんじゃないでしょうか。それでなくても、1度聴いたら忘れられない、馬鹿でもわかる(失礼!)あの美しくてキャッチーなメロディが、ストレートにハートに刺さっちゃうから。

この世界に名曲や名盤と呼ばれるものは数あれど、今回はこちらを。

是非あなたにも知ってほしい、聴いてほしい。イギリスで1番有名なチンピラ兄弟が結成したロックンロール・バンド、オアシスの「Whatever」です。

目次

ロックンロールとパブとサッカーの国、イギリスから生まれたチンピラバンド

結成前夜

どんな人にも、バックグラウンドは存在する。それは後に世界の頂点に立つことになるこの兄弟もそうで、オアシス結成前夜はそれはそれは荒んでたとか。当時のイギリスは不況の真っただ中、労働者階級の若者たちは失業保険で食いつなぐ毎日。そんな彼らの数少ない楽しみは、1日中ハッパをやりながらウダウダして、日雇い仕事の給料をパブに注ぎ込んで、そこで中継されてる地元のサッカーチームの勝敗に一喜一憂する。それが、1980~90年代初頭の当たり前でした。

そんな若者に過ぎなかったギャラガー兄弟が、1991年にオアシスを結成。そして1994年4月にシングル「Supersonic」でデビューします。

デビュー・シングル「Supersonic」と、1stアルバム「Definitely Maybe」

もうね、これよこれ。これですよ、オアシスといえば。この冒頭の一節。

I need to be myself (俺は俺自身で在らなくちゃいけない)

これに全てが、集約されているように思います。処女作にはそのアーティストの全てがある。とはあらゆる表現についてよく言われることだけど、見事と言って良い程にあてはまっていますよね。唯我独尊の、シンプリシティ以外の何物でもないロックンロール。
 
そしてこのシングルも勿論収録した1stアルバム「Definitely Maybe」を、同年8月にリリースします。このアルバムのオープニング曲「Rock ‘n’ Roll Star」は文字通り、「今夜、俺はロックンロール・スターなんだ!」と高らかに宣言するライヴ定番のパワフルなナンバー。デビュー・シングルと1stアルバムの1曲目で、”オアシスというバンド”のアティチュードの全てを明かしちゃってるわけです。かましちゃってるわけよ。これが、超絶かっこいいんだなぁ。こんなデビューの仕方しちゃうバンド、どこ探したっていないよ?
 
歌詞で言ってることは、何だか曖昧で思春期の中学生みたいなんだけど、リアムの歌声にかかれば、揺るぎなき信念と強烈な説得力を持っちゃうから不思議。スターの器ってやつなのかな、少年ジャンプの主人公みたいな。90年代は偉大な沢山のバンドが生まれたけど、今聴いてもこんなに完璧で最強なデビュー・シングルとアルバム、なくない?聴く度にその輝きが増していくのが名曲・名盤の必須条件だけど、それが確実にここにもあると思います。
 
どの曲も、これぞロックンロール!な王道中の王道サウンドど真ん中。ロック・ギターのお手本のようなフレーズも至る所に散りばめられているので、ギター入門編としてもオススメですよ。

「ビートルズよりもビッグになる」

初登場1位、伝説の幕開け

「Supersonic」の後も2枚のシングルを発表し、リリースする度にチャート順位を更新したオアシス。そして満を持して発表された1stアルバム「Definitely Maybe」はイギリス・チャートで当然のように1位を記録、当時のデビュー・アルバムの最速売り上げ記録まで更新しちゃいます(後にアークティック・モンキーズが2006年に更新)。その完成度は、単に傍若無人な兄弟バンド(というか主にリアム)というそれまでの話題性先行ではなくて、音楽性の深さと創造性の高さをはっきりと証明したのでした。

と同時に、喧嘩に乱闘、女遊びに薬物と泥酔、他のバンドを名指しでこき下ろす、等の警察沙汰の悪事と悪態も日常茶飯事で更に加速。しまいには「ビートルズよりもビッグになる」だなんてビッグマウスも飛び出しちゃう。音楽だけに夢中な品行方正バンドなんてクソ喰らえ、1960~70年代のロックンロール・スピリットまで地で行くんだから、毎日のようにメディアも賑わすことになりました。でもそんな生き様はいつの時代も、キッズたちの憧憬の対象となるわけで。カリスマ性は、ますます深まるばかりだったのです。今の時代じゃ、考えられないけど(笑)。

だってさ、あんなに悪党兄弟なのに、兄貴ノエルが書いたアルバム収録曲は、馬鹿でもわかる(再び失礼!)キャッチーでグッドなメロディに、真っ青なギター・サウンドがどこまでも王道を突っ切って行って。当然、捨て曲一切なし。そんな全曲が、自己肯定と人生賛歌の歌詞のみで作られてるから、ズルすぎる。なんだよ、かっこよすぎじゃんかよ。そしてそれを、弟リアムが気怠そうにうめきとも喚きとも取れるような、マナーの悪い癖のあるボーカルで、堂々と力強く歌い上げちゃう。なんだよ、かっこよすぎじゃんかよ!

実際にこんな人達が周りにいたら、正直付き合いを考えざるをえないけど。でもこんな人達だからこそ、こんなにかっこよくて優しい音楽をプレイ出来るんだなって。「Definitely Maybe」は、オアシスのロックンロールとは何か、を決定付けた名盤となったのでした。

そして発表された、「Whatever」

そんな1994年12月、クリスマス商戦に向けて5枚目のシングルとして発売されたのが、「Whatever」でした。チャートも3位と、この時点でのシングルとしての最高位を記録。

なんでもノエルはデビュー時点でアルバム3枚分の楽曲を貯め込んでいた(!)そうで、この楽曲もそのうちの1つ。ノエルの作曲センスを痛感させるこのうえない名メロディに、初のストリングス・アレンジも耳を引きます。このメロウさとまたしてもな天才的なポップ感覚が、なんともたまらないんだなぁ。そしてそこに乗っかる、おなじみのリアムのあの歌声が、おいらの胸にグッと刺さるのさ。

いつだって背中を押してくれる、黄金色の自由

歌詞とメッセージ

(歌詞の重複部分は割愛しています)

I’m free to be whatever I
Whatever I choose
And I’ll sing the blues if I want

なんだろうと自分が選んだものに
俺は思いのままになれるんだ
その気になればブルースだって歌ってやるよ

I’m free to say whatever I
Whatever I like
If it’s wrong or right it’s alright

なんだろうと好きなことを
俺は自由に言えるんだ
それが間違っていようが正しかろうが
関係ないのさ

Always seems to me
You only see what people want you to see
How long’s it gonna be
Before we get on the bus
And cause no fuss
Get a grip on yourself
It don’t cost much

おまえはいつも
誰かがおまえに見せたがっているものだけを
気にしてるように見える
一体どれだけ待ったら
俺達はバスに乗る前に
大騒ぎを起こさなくなるんだろう
しっかりしろよな
そんなに難しいことなんかじゃないんだからさ

You’re free to be whatever you
Whatever you say
If it comes my way it’s alright

なんだろうと自分の思うものに
おまえは自由になれるんだ
それが俺にも好都合なら文句なしさ

You’re free to be wherever you
Wherever you please
You can shoot the breeze if you want

どこへだろうと好きな所へ
おまえは自由に行っていいんだぜ
無駄話だろうが好きにしていい

Here in my mind
You know you might find
Something that you
You thought you once knew
But now it’s all gone
And you know it’s no fun
Yeah I know it’s no fun
Oh I know it’s no fun

こんな俺の中に
おまえは見つけ出すかもな
前にわかったつもりの何かを
でもそれは
今はもう失くしちまった何かなんだ
それじゃ面白くなんかないだろ
つまらないだろ
そうさ、俺だってわかってるよ

Whatever you do
Whatever you say
Yeah I know it’s alright

おまえがどんなことをしても
どんなことを言っても
そうさ、かまわないんだよ

Whatever you do
Whatever you say
Yeah I know it’s alright

おまえがどんなことをしても
どんなことを言っても
そうだよ、全然問題なんかないんだ

俺とおまえの、比類なきアンセム

デビュー前の若い時に書いた曲だからかもしれないけど、とってもピュアな歌詞ですよね。ノエルの、繊細でロマンチストな一面が覗けます。ほんとこういうとこ、ズルいよなぁ。公営住宅育ちの経歴やワーキング・クラス出身故の不器用さなんかも、影響してるのかな。

後に発表されオアシス(というかノエル)の代名詞にもなる大名曲「Don’t Look Back In Anger」もそうだけど、青く若かった頃の信念っていうか思い出っていうか、少年っぽさが残る心情や情景を感動的に表現してますよね。

胸をかきむしるような、後悔。
身を切られるような、孤独。
それでもやっぱり噛みしめたいのは、希望。

たとえ何があっても起こっても、1度きりの人生を自分なりに最大限、楽しんでいこうぜってメッセージが、いつだって背中を押してくれます。ノエルが書いた歌を、リアムが力強く優しく問いかけてくる。

どんなハウツー本も敵わない、これは生き方の教科書。そしてそれは、今までもこれからも、ずっと変わらないんだな。時間とか時代なんか軽く飛び越えて、いつだってハートの奥の方で鳴るもの。これぞ、堂々たる歌の力ってやつだよね。高揚感に満ちた、他と比べることなんて出来ない、まさにアンセム。

やれないことなんて、ない。この俺は勿論、おまえだってそうさ。顔を下げずにさ、胸張っていこうぜ。

今日も世界のどこかで、誰かの背中をきっと押していることでしょう。

余談

こぼれ話と、使用楽器

実はこの曲、ライヴで演奏したのはオアシス初期の1995年あたりまでで、ノエルのキャリア全体を通しても、他の名曲と比べてあまり演奏しない印象。というのも、昔インタビューで言ってました。

日本人がどうしてあれを好きなのかわかんない。なんでそんなにリクエストするんだ?
 
いやいや兄貴、勘弁してくださいよ。日本では前述したCMに採用されたこともあって知名度も高く、実際においらの周りでもファン多数。この発言の天然っぷりもまた、兄貴の魅力なんですけどね。この発言の反響があってかどうかはわからないけど、2005年を過ぎた頃からライヴで演奏し始めたのは、嬉しい限りです。ただの気まぐれだったりして(笑)。
 
また、当時のMV撮影の時はノエルは泥酔してたそうで(笑)、撮影の記憶がほぼないんだとか。
確かに変な動きしてたもんなぁ。その後のアダルト・ロッカーたるヴィジュアルになる前だから、ファッションもダサいし(笑)。
 
そしてこのMVで使用してるギターは、黒のギブソン・レスポール・カスタム。1980年代のイギリスを代表するバンド、スミスのジョニー・マーから譲り受けたとか。ロックスターってのは、ほんとスケールがでかいなぁと思わされるエピソードです。

最後に

この翌年に発売された2ndアルバム「(What’s the Story) Morning Glory?」の大ヒットで、オアシスはイギリスのみならず、遂に世界の頂点へと昇りつめます。その後も数々の記録と伝説を残しましたが、2009年に解散。原因は勿論、世界最大の兄弟喧嘩(笑)。互いの「俺が俺が」意識こそがバンドとパワーの源だったんだから、しょうがないですよね。

ふてぶてしさと圧倒的なカリスマ性で、まさにロックンロール・スターそのものだったフロントマンの弟リアム。一方、音楽とライヴこそがロックンロールだと言う、根っからの音楽フリークで総監督としてバンドを掌握した兄ノエル。

互いの確執性を剝き出しにしたまま、唯一無二の英国産のやさぐれロックンロールの内部崩壊は、必然であってこれがまたロック。オアシスは他にもたくさん名曲や名盤があるので、それも含めてこの辺のお話は、またいつか書きたいと思います。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
Kazuki
Kazuki

合同会社Gencone GANNON運営代表

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