合同会社Gencone

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ようこそ。クリムゾン・キング様の、宮殿へ。

目次

King Crimson/In The Court Of The Crimson King

1969年作品

収録曲:A面

①21st Century Schizoid Man(21世紀のスキッツォイド・マン)
 (including)
 Mirrors
②I Talk To The Wind(風に語りて)
③Epitaph(墓碑銘)
 (including)
 a.March For No Reason(理由なき行進)
 b.Tomorrow And Tomorrow(明日又明日)

収録曲:B面

④Moonchild
 (including)
 a.The Dream
 b.The Illusion(幻想)
⑤The Court Of The Crimson King(クリムゾン・キングの宮殿)
 (including)
 a.The Return Of The Fire Witch(帰って来た魔女)
 b.The Dance Of The Puppets(あやつり人形の踊り)

いきなり、インパクトが半端ないですけども。
あ、ジャケットがね。
バリー・ゴッドバーによる、とにかく強烈なこのアートワーク。
小さい子供とか、泣き出しちゃうんじゃないかな笑。
象徴的なデザインは、まさに音楽と視覚要素の一体化そのもので、どんな音楽なんだろう?と興味が引かれること間違いなし。
そして聴き終わった後に、ああじゃないかこうじゃないかと、様々な分析や解釈を呼び起こすこと必須なのがまたニクイ。
今夜も酒のツマミにぴったりな議論と考察は、イマジネーションを増幅させることこの上なしです。

と、いうことで。
王様ですよ、王様。
ようこそ、クリムゾン・キングの宮殿へ。
今作は、イギリスのロック・バンドであるキング・クリムゾンのデビュー作にして、プログレッシブ・ロック(注:以下、プログレ)の金字塔。
その革新性で、知的な興奮と刺激を世界中の批評家や音楽リスナーに投与しまくってます。
それまでの「ロック」と呼ばれる音楽様式を拡大し、進化させたある種の究極形と言えるかも。
バンドの中心人物であるロバート・フリップは現在でもバンドを続け、今作のリマスターを自ら出し直し続けていることからも、本人の中では未完のままなんだろうなとも思わせる、非常にスケールの大きい名盤です。

キング・クリムゾン結成から「クリムゾンキングの宮殿」誕生まで

バンドの起源は、1967年。
ジャズ・バンド等で経験を積んだり、楽器店でギターを教えていたロバート・フリップは、この頃からそれまでにはなかった音楽プロジェクトを模索し、多様な音楽性を取り入れることを志向していたとか。
そして当時セミプロとして活動していたマイケル、ピーターのジャイルズ兄弟と共に(ピーターは後に脱退)、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップを結成。
これが、キング・クリムゾンの母体となります。
そして翌年、フリップは詩人のピート・シンフィールドと出会い、共に新バンドを結成することを決意。
タロットカードからインスピレーションを受けて命名し、音楽の実験性と革新性を追求することを目指したバンド、それこそがキング・クリムゾンだったってわけで。

ここに、フリップ(ギター)、シンフィールド(作詞)、マイケル・ジャイルズ(ドラムス)、グレッグ・レイク(ボーカル、ベース)、イアン・マクドナルド(メロトロン、ピアノ、木管楽器)の創設メンバーが集結。
後者2人も、アンダーグラウンド・シーンでは既に名の知られた存在で、やっぱり歴史的なバンドには黄金メンバーが集うもんなんだよね。
こうして、1969年にデビュー・アルバムとなる今作を発表することになります。

メンバーそれぞれが持つ独自の音楽的ビジョンと、それを実現する為のあくなき探求心。
それは、「ロックの既成概念」を打ち破ることだけに結集された、アカデミックな学会のようなもの。
非常に高度な音楽性に裏打ちされたものにも関わらずアルバム・チャートを駆け上がり、複雑な楽曲構造ながらも1度聴いたら忘れられない、先進的なサウンドと演奏技術で世界を席巻しました。

楽曲解説

まずは、やっぱ①。
あまりに有名なオープニング曲、初めて聴いた時さ、ここじゃない、どっか異次元世界で演奏されてんのかなって思ったもん。
これから始まる壮絶なドラマの激しさを予感させるかのような静かなノイズに導かれて、光が一閃する。
歪ませたグレッグ・レイクのヴォーカル、互いに挑発し合うロバート・フリップのギターとイアン・マクドナルドのサックス。
そこでマイケル・ジャイルズの変拍子ドラムが暴れ回って、アナーキーで危険な香りがプンプン。

牧歌的なんだけど、どこか精神世界が壊れているような畏怖感が迸るバラード②。
マクドナルドのフルートと歌声が最大の特徴で、アルバムでも独特な存在感を放っています

個人的にハイライトは③、間違いなくバンドの代表曲。
警告のように響く歌声に破滅を暗示させるメロトロンが印象的で、「混乱こそが我が墓碑銘」の言葉が、余りにも重い。
重すぎる。
ロックが持つ、宿命そのものです。
ちなみに、有名なアメリカのインディー・パンクのあのレーベル名は、ここから取られたもの。

そしてフリージャズのような静謐な狂気を孕む④を挟み、タイトル曲でありアルバムの締めくくりとなる⑤へ。
メロトロンを核とする怒涛の展開に、何度聴いてもドキリとしてしまうのは自分だけじゃないはず。
感情豊かな歌詞とメロディが聴き手に深い印象を残し、一瞬たりとも弛緩することのない世界が展開していく。

そうなんだよね、全編通して素晴らしいのは斬新なギター・リフやサウンドだけじゃなくて、その哲学的な歌詞もまた然り。
黙示録的で、幻想的で、暗示的でもあるシンフィールドの書く言葉が、音楽の魔術性を確かに引き出してるところがまた素晴らしい。
是非、訳詞を読みながら聴くことをオススメします。

影響と遺産

プログレ・バンド、というとピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマー等偉大なバンドはたくさん存在するけれど。
プログレにおける1枚、となると今作を挙げる人は多いんじゃないかなぁ。
発売当時、今作の影響を受けたミュージシャンたちは数知れずで、初期メンバーで後にエマーソン・レイク&パーマーを結成するグレッグ・レイクは当然のこと、ザ・フーのピート・タウンゼント、レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ、ラッシュのゲディー・リー等々。

勿論日本のミュージシャンもそうで、特に①は多くのカヴァーも生まれました。
中でも、敬愛がビシビシと伝わってくるこちらのカヴァーは秀逸です。

余談

使用楽器

・ギブソン・レスポール・カスタム(1959年製)

フリップは、それまではギブソンのES‐335を使用してたらしい。
しかし今作の製作において新たな音を導入するために、こちらを購入したそう。

こちらの映像で、確認できます。
にしても、ザ・ローリング・ストーンズが1969年に開催したハイド・パークでのブライアン・ジョーンズ(ローリング・ストーンズの創設メンバー)の追悼ライヴ(これまた素晴らしい!)の前座がクリムゾンだったなんて・・。
とんでもなく豪華な時代です笑。

最後に

常に新しい音楽的地平を探求し続けたキング・クリムゾンは、現在も多くのファンやミュージシャンに影響を与え続けています。
この後も数々の名盤を発表しながら、その音楽的探求心と革新性を証明していくし。
5th「太陽と旋律」、7th「レッド」とか素晴らしいっすよ。クラシック、イギリス特有のジャズ・ロックとフォーク、現代音楽、インプロヴィゼーション、そしてビートニクの流れを汲むユーモアのセンスまで渾然としてロックを融合させた今作は、プログレの一翼を担う重要な作品として、音楽史にその名を刻みました。
単なる名盤としてだけでなく、その後の音楽の進化においても重要な役割を果たしたってところが、一番の功績なのかな。
ロックやプログレのみならず、ハードロック、ヘヴィメタル、サイケデリックにまで及んだわけだし。
ロックの既成概念を打ち破ったっていう革新的な事実においては、エルヴィス・プレスリーやビートルズの登場と並ぶといっても良いんじゃないかな。
それほど、音楽面における衝撃度はすさまじかったわけで。
今作が持つ独創性と影響力は、今後も世代を超えて語り継がれることでしょう。
某名作マンガでも、最強(最凶)無比のスタンド技として使われてたしね。
URYYYYYYYYY!!

今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
それではまた、次の名盤・名曲で。

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この記事を書いた人
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Kazuki

合同会社Gencone GANNON運営代表

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